東京ディズニーリゾート(TDR)をビジネスの視点から分析する。

TDRは何故楽しいのか?その仕掛けをTDR好きの筆者が様々な視点からお話しします。

第14回:遠近法の仕掛け

いよいよエントランスを抜け、ワールドバザールというショッピングモールに入りました。正面を見ると遠くにシンデレラ城が見えます。アーケードを歩いて行くと、だんだんシンデレラ城が近くになり、通り抜けると一気に視界に入り、広くて鮮やかな青い空にシンデレラ城が映えて素晴らしい景色が目には言って来ます。

 

アーケードの入口に立った時は、シンデレラ城が遠くにあるように感じるので、通り抜けて一気に視界が広がった時の感動が大きくなります。これにも仕掛けがあります。実は、このショッピングアーケードの入口と出口では道幅が違っているのです。入口の方が広く、出口に行くにしたがって、少し幅が狭くなっています。そのため、人間の目で見ると、幅が狭い方が遠くに感じるのです。これは、強化遠近法といってデザインでとられる手法ですが、シンデレラ城の視覚効果を高めるために使われています。

 

また、アーケード内の建物の前に立ち、下から上の方へ視線を上げてじっと見て下さい。何か感じませんか?良く見て見ると、上に行くほど、窓の大きさが小さくなっていることに気付くと思います。つまり、上に行くほど縮尺が小さくなるように設計されています。実際には、2階部分が実物の8分の5、3階部分は8分の4の縮尺になっているそうです。これも遠近法の一種ですが、そうすることによって、建物を実際より高く見せる効果があります。同じように、シンデレラ城の両脇にある、レンガで組み上げられた塔をじっくり見て下さい。このレンガ一つ一つの高さも上にいくほど低くなっていることが分かると思います。これも建物と同じ手法ですね。

 

つまり、ディズニーは、パーク内の建物等を本物と同じように作っているのではなく、本物、もしくは本物以上に見えるように作っているんですね。この発想は正に映画のセットと同じです。つまり、ウオルトは映画のプロデューサーとして、パーク内をステージに見立てて、ゲストを楽しませる広大なセットを作っていると言えます。

 

それから、ワールドバザールは、外から見るとそれぞれ一軒、一軒の店が立ち並んでいるように見えますが、実は、全部中ではつながっています。そして、窓は3階までありますが、全て吹き抜けになっています。つまり、外から見ると色んな店があるように見えますが、実際は大きな一つのショッピングセンターになっているということです。郊外のショッピングセンターのような建物がパーク内にあると折角の気分が削がれますが、このように建物に工夫されているとショッピングの気分も高まります。

 

更に、一つ、一つの店の看板や窓に書いてある文字を良く見るとそこにも仕掛けがあります。例えば、ディズニーカンパニーという店のロゴの前に「1901年設立」と書いてありますが、これは、ウオルトが生まれた年にちなんだものです。また、東京ディズニーランドの生みの親である高橋政友さんの名前もさりげなく窓に文字がデザインされています。他にも、良く見て見ると様々なことが発見できると思います。

ウオルトも言っているように、「ディズニーランドはショーである。ディズニーランドではゲストの目に触れるモノは全てがショーであり、意味もなく置かれているものは何もない」と言っていますが、今回のブログの内容だけでも十分ウオルトの意図するところが伝わってくると思います。